食や嚥下にお困りの方へ

口から食事が食べられることは楽しいですよね。「いつまでも美味しく食べて健やかに♪」を目指して嚥下に関わる診療を行っています。嚥下(えんげ)造影検査は、音声付き動画でデータを保存されます。繰り返し嚥下造影検査を視聴もらうことで、ご本人やご家族の方が自分の嚥下運動の特徴を理解することにも役立てられます。

徳島県保健福祉部 長寿いきがい課から発行されている冊子は、当院を受診される方に人気があります。是非、「食事とフレイル予防」の参考にしてください。

令和5年度 徳島県医師会主催の摂食嚥下講習会の講師は東京医療学院大学 保健医療学部 リハビリテーション学科理学療法学専攻 准教授 内田 学 先生でした。私はこれまで嚥下障害の予防と嚥下障害からの回復支援を最重要課題として取り組んできた立場から講師の内田先生のご講演の要点をご紹介いたします。嚥下障害に困っている方の参考になると確信しております。

私が理解した食事摂取に必要な摂食・嚥下に必要なものは、①姿勢 ②上肢 ③開口と舌圧 

食には良い姿勢は欠かすことができません。円背を少しでも改善することで腕も大きく動かせるようになり、口の前からスプーンを口に運ぶことができるようになり、大きく口を開けることもできます。良い姿勢を作るためには、筋肉のストレッチが重要。片麻痺や片側の身体の運動低下や筋肉の萎縮をクッションで補うことで良い姿勢を作ることができます。健常者が片麻痺のある状態をイメージするには、健常者は、お尻の片側のみを椅子に置き、片足を床につけず、上半身を傾けてみるといいでしょう。不安定な姿勢がいかに食事摂取に不利であるかよく分かると思います。歩行を始めたばかりのこどもの姿を思い浮かべてみてください。不安定な状況では、ヒトは上肢でバランスを取る必要があり、自由に上肢を使うことができません。また、健常人でも、強制的に強い円背の状態にすると、頸部の筋肉(舌骨下筋群)が必要以上に伸展され、嚥下運動が障害され誤嚥してしまいます。

食を大切にしたい皆様、バランスの良い姿勢を作ってから食事をしてみてください。そう簡単ではないと思います。ご質問やご相談などございましたら、お気軽に当院までご相談ください。

院長 吉田卓弘(食道外科専門医、食道科認定医、消化器外科専門医・指導医、消化器病専門医の立場から)

2024/03/10

訪問診療の体制を強化 「在宅療養支援診療所」として認可されました