健診で異常を指摘された

  • 生活習慣病である高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症に対する健康相談、薬物治療を行っています。
  • 高血圧は、塩分摂取量の管理、減量、睡眠、適度な運動が重要です。薬物治療では、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシンIIタイプ1受容体拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、利尿剤、β遮断薬、α遮断薬などが使用されます。血圧日記などで日々の記録をつけてもらうことは大変重要です。2022年9月に保険収載されたCureApp HT 高血圧治療補助アプリ 6ヶ月間集中プログラムへの参加をご希望の方は、医師またはスタッフまでお気軽にお声がけください。
  • 糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気につながります。また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡(こんすい)などをおこすことがあります。糖尿病から腎臓や網膜を守ることが重要です。HbA1c、空腹時血糖値、随時血糖値、75gOGTT値のいずれかが基準値を超えている場合を「糖尿病型」といい、空腹時血糖値、随時血糖値、75gOGTT値のいずれかとHbA1c値の両方が糖尿病型である場合、もしくは口渇(口の渇き)、多飲、多尿、体重減少などの典型的な糖尿病の症状が出たり、糖尿病網膜症がある場合は、1回の検査で「糖尿病」と診断されます。GA(グリコアルブミン):血液中のアルブミンとブドウ糖が結合したもので、1-2週間の血糖値の変動を反映します。糖尿病は16.5%以上、正常は12~16.5%。1.5AG(1.5アンヒドログルシトール):過去数日間の血糖値の変動を反映します。血糖値が高くなり尿糖となりおしっこに排泄されると、1.5AGは低下します。糖尿病は15μg/mL以下、正常は15~45μg/mL。尿検査:尿中の糖を確認します。血糖値が180mg/dLを超えると尿の中に糖がで始めます。ただ血糖値が180mg/dL超えるということは比較的重症な糖尿病の可能性が高く、軽症の糖尿病は見落とす可能性があります。2型糖尿病の方の治療を行っています。食事療法、運動療法、節酒がまず開始されます。治療薬は効果を発揮する仕組みにより10種類に分類されます。α-グルコシダーゼ阻害薬、SGLT2阻害薬、チアゾリジン薬、ビグアナイド薬、イメグリミン、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、スルホニル尿素薬 (SU薬)、速効型インスリン分泌促進薬 (グリニド薬)、インスリン製剤。
  • 脂質異常症は、血液中の脂質の値が基準値から外れた状態をいいます。脂質の異常には、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)、トリグリセライド(中性脂肪)の血中濃度の異常があります。これらはいずれも、動脈硬化の促進と関連します。血液中にコレステロールなどの脂質が多い状態が続くと、血管壁に余分な脂が沈着し、プラーク(粥腫)と呼ばれる塊が作られます。これらの余分な脂は比較的短期間で血管壁にたまるため、柔らかくて壊れやすいものですが、時間の経過とともに血管の壁がどんどん分厚くなって、血管がつまりやすい状態になります。このような、血管の壁の変化を「粥状動脈硬化」と呼んでいます。不安定なプラークが破れると破れた部分を修復するため、血液の成分の一つである血小板が集まり血栓ができます。この血栓が大きくなって動脈を塞いでしまうと血液はその先に流れなくなり、血流の途絶えた組織や臓器は壊死します。心筋梗塞、脳梗塞などが該当します。トリグリセライドが高いことは、動脈硬化性疾患の発症リスクを高めることが知られています。また、著明(空腹で500mg/dL以上)な高値は急性膵炎のリスクでもあります。トリグリセライドは食事・運動療法により大きな低下が期待できます。食事療法では炭水化物摂取比率とアルコール摂取を減らすことが有効であり、糖質を含む菓子や飲料、果物などとアルコールの摂取を減らします。著明な高トリグリセライド血症では脂質摂取制限が必要です。有酸素運動を中心とした運動療法も有効です。食事・運動療法では改善が不十分であれば、薬物療法の追加が必要なこともあります。
  • 高尿酸血症は、尿酸の血中濃度が異常に高まった状態を指します。痛風発作の原因となります。細胞内の核に含まれるプリン体が分解される際に生じる老廃物の尿酸が、過剰に産生されるか尿中への排泄力が低下することによってバランスが崩れ、血中濃度が異常に高まってしまう状態のことです。尿酸値が7mg/dl以上になると高尿酸血症と診断され、9mg/dl以上もしくは8mg/dl以上で合併症(腎障害・高血圧・糖尿病・肥満など)を伴うものについては薬物療法を含む早期の治療がすすめられます。
2024/03/10

訪問診療の体制を強化 「在宅療養支援診療所」として認可されました